話すのは苦手だけれど

お話すること以外で伝える方法の一つ。(2019年12月)

話すのは苦手だけど、税理士というお仕事は面白いな、好きだなと思うことについて。

税理士は話力がないと辛い?

そもそも税理士は、「お話ありき」「お話なんぼ」のお仕事なのでしょうか。
お話するのが苦手なら、税理士には向いていないのでしょうか。

この業界に15年ほど携わってきて、お話することは避けられないお仕事かなと感じています。
お話するのが「得意」なら、「一歩抜け出せる」、「『楽』にできる(相対的に)」お仕事なのかもと。

それでも、世の中にはそのようには認識されておらず、
お話するのが得意な方だけが税理士を目指すようには見えません。
それは専門性を習得する難しさが全面にでているからかもしれません。

もしかすると、
お話するのは得意でないけど、簿記には興味がある、専門性も持てそう、
営業や接客業と違ってお話が苦手でもできる仕事かも、、、
という流れで税理士を目指す方もいらっしゃるかもしれません。私がそうでした。

 

苦手なお話の日々

税理士のお仕事は、初めましてから始まって、お会いするたびに、
お仕事のお打ち合わせをするたびに「お話し」するお仕事でした。

税理士業界に入った当初、高い専門性と責任を持たされる仕事にプレッシャーを感じていました。
お金を頂いている側として「提供」しなければいけないという感覚がありましたが、
自分が何を提供できているだろうかと。

経営者の方とのお話で、楽しい話題を提供して帰るということもできず。
せめてお話が上手だったらなぁと思ったものです。
今思えば意気込み過ぎでしょうし、求められてもいなかったと思います。
(もちろん上手に越したことはありませんが。)

特に担当して間もない時期は、見定められているような気がしていました。
お話を聞いて下さっているかどうかわからない気難しい社長、不安げな眼差しを向けてくる方、
何故か目の前で親子喧嘩が始まる(来客と思われていない)、など色々ありました。

私に対して、この担当者大丈夫なのか、、と思われた方も多かっただろうと思います。
暖かく見守ってくださった方もいらっしゃったでしょう。
持ちうる知識を提供しつつも、難しい「宿題」は持ち帰る日々でした。

訪問は、終えると開放感がありましたがしんどかったです。いつもどっと疲れていました。

それでも楽しいなと思うこと

そんな苦行の日々にも関わらず不思議なのですが、
対お客様との関係で楽しいな、面白いなと感じることがあります。

どういう時かというと、お付き合いが進むにつれて、信頼関係ができてくるようなのです。
そっけない対応をされていたのに、長い関係を続ける中でうまくお付き合いできるようになります。
ある日突然という劇的な変化ではないのですが、少しずつ良くなっている、というのを感じます。

なぜなのかなと考えましたが、
一つは、お客様のコミュニケーションのクセや好み、やってほしくない事を把握できるからかなと。
最初はわからないので、どうしても好ましくないことをしてしまうことがありますが、
定期的にお会いしているとわかってきます。

もう一つは、お客様の会社の状況や課題について把握し、理解を深めていくことで、
お役に立つことができるからではないかなと考えています。
お客様が求めるものは一つではなく、お客様ごとに全く違います。
経理はあまり困っていないのに、勘定科目の使い分けを指導して整備することをお伝えしても
仕方ありません。要望を知ることで、「何を伝えればよいのか」を知ることができ、
求められていないことを「お話」せずに済みます。

この二つは、どうしても時間がかかることでして、一朝一夕で叶うことではありませんが、
時間と共に、お互いに心地よいやりとりができるようになってくるのを感じます。
こうして、お客様と心地よいリラックスしたやりとりができてきた頃に
ものすごく楽しいな、充実しているなと感慨深く思うのです。

 

ちなみに、私の場合は、べったりとしたお付き合いはないです。
ほどよい距離感、多くてひと月に一度お会いするくらいです。
それに、距離が縮まらないうちにしびれを切らす方もいらっしゃいます。私がのんびりしているからでしょうね。

そういえば、同業者にこの楽しさをお話したことがありました。
関係が築けた方々とお別れするのが残念で後ろ髪をひかれると言うと、
「そんなこと思ったことがない」と返されて。

もしかすると私のような面白さを感じているのは少数派かもしれません。
お話するは苦手だし、最初はうまくいかないけれど信じて続けられるのは、
このような経験を重ねてきたからかもしれません。

気の長いお客様との出会いにも感謝しています。
苦手でも面白味を感じることを再発見してみましょう。

 

おわりに お話する以外の方法はあるのか

お話しなくても税理士のお仕事ができるかなと考えたときに、
お話する以外の方法でも「お伝え」できれば、あまりお話はしなくて済むかなとは思いました。
例えばメールやSNSなど。お好きな方は手紙なども。

仕事の仕方として、最低限の連絡だけにする、というやり方な場合も、
お話することを少なくできるかもしれません。
例えば、送られた資料が足りなくてもそのまま申告書を作成するなど。これで良いのかどうか。

補助の方にお客様とのやりとりをお願いするという方法もあるのかもしれません。
それが無資格所員と税理士大先生という構図であるような気もしました。

避けずに関係性をつくっていこうと思えるようなお仕事が
良いお仕事につながるような気がしています。
お話でなくてもお互いを知ることができれば良いでしょうね。

 

【日記】
・長女と宿題をしました。私が昔つかっていた国語辞典を見ながら宿題をしたら楽しそうでした。
マーカーやふせんをつけて。
・次女は最近夜寝つきが良くないので保育園に尋ねると深くお昼寝をしているようでした。
すっきりと目覚めるそうです。きっと良い睡眠をとってしまっているのでしょうね。

 

 

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