大阪市均等割5万円。大阪府は均等割2万円。合わせて7万円。
法人化しようかなと考えた時の、検討材料について取り上げてみます。
たくさんの節税が必要となるくらい利益が見込まれる場合のほか、
当分赤字が続くけれども、10年以内にそれなりに利益があがる見込みがある場合、
国民健康保険料の負担が大きく、社会保険に加入した方が保険料を抑えられる場合(役員報酬は多くとらない前提。)
などは法人化をおすすめできます。
ただし、事務コスト、申告コスト、法人税均等割(毎年7万円の税負担)なども考えて総合的に判断することも必要です。
税務申告や社会保険事務を税理士などに外注する場合のコストについてもあわせて検討しましょう。
10年以内に大きく利益があがる見込みがある場合
個人と法人の違いに、赤字が繰越できる期間があります。個人は3年、法人は最大10年です。
黒字が出た年には、これまで繰り越してきた赤字と相殺した上で、税金の計算をすることができます。
そのため、繰り越した赤字を3年以内に使えない(黒字にならない)けれども、10年以内なら使える(黒字になる)見込みがある場合には、法人化のメリットがあります。
具体的には、以下の例で比較してみましょう。
【個人事業主】
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | |
損益 | −100 | −100 | −100 | −100 | −100 | 500 |
繰越欠損 | −100 | −200 | −300 | −300 | −300 | 0 |
税金上の利益 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 200 |
【法人】
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | |
損益 | −100 | −100 | −100 | −100 | −100 | 500 |
繰越欠損 | −100 | −200 | −300 | −400 | −500 | 0 |
税金上の利益 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
上記の比較では、1年目から5年目に100ずつの赤字がでていて、6年目に500の利益が出た場合で比較しています。個人事業主の場合は、200に対して税金がかかりますが、法人の場合は繰り越し欠損金がおおいため、税金計算上の利益は0です。
しかも、法人は節税方法が個人の場合よりも多いため、個人事業主より赤字をたくさん繰り越しできる可能性があります。
ただし、上記の場合で、6年目の利益見込みが300以下の場合は、6年目の税金は個人事業主の場合と変わりません。(0になる。)
その後にも利益が見込まれる場合には、やはり法人の方が繰り越し欠損金をうまく使うことができます。
国民健康保険料より社会保険料の負担が少なくなる場合
すでにお勤め先の社会保険に加入している場合には、今回の場合には該当しません。
国民健康保険料の負担が多く、社会保険の加入を検討したい場合に該当します。
国民健康保険料は、全ての世帯(平等割)と全ての被保険者(均等割)にかかる金額(約10万円)以外に、所得の約14.8%(大阪の場合。40歳未満の場合約11.8%。)の「所得割」という負担分があります。
例えば、住民税の計算の基礎となる算定基礎所得金額が300万円の場合には、所得割部分が444,300円になり、国民健康保険料の年間負担額は約54万円になります。月額45,000円の負担です。
国民健康保険の上限額は年102万円(大阪の場合)となっていますので、それ以上の負担がかかることはありませんが、上限額を月換算した場合、月額85,000円になります。
一方で社会保険料は、給料額を基準にした標準報酬月額によって決められますが、
仮に、法人成した会社から自分へ月10万円のお給料を支給した場合、
健康保険料と厚生年金保険料を合わせて月額29,635円(会社負担分含む。大阪の場合。40歳未満は28,067円。)です。(健康保険料11,701+厚生年金17,934)
所得を300万円とした場合の国民健康保険料と比較すると、
45,000円(健康保険料部分)+国民年金保険料16,520円=61,520円 と比較すると、
差額は月額31,885円、年額約38万円です。
お給料をいくらにするかによって金額が変わりますが、低めに設定した場合には、国民健康保険料よりも少ない負担額で済むこともあります。
そういうこともあり、法人税の税率と所得税の税率との単純な比較でなく、住民税10%、国民健康保険所得割14.8%、個人事業税も加味した上で、法人成りを検討してもよいかもしれません。
法人化にはコストがかかる
最後に、法人化するにはコストがかかります。設立費用を除いた場合でも、
毎年法人税均等割7万円の負担があります。
その他に、税務申告や社会保険事務を外注する場合の手数料や、事務処理の増加による負担もあります。
法人という社会的信用の面で有利になることもありますし、デメリットばかりではありませんが、
メリット、デメリットを総合的に考えて判断されるとよいでしょう。
もしお困りの場合には、ご相談くださいね。
【日記】
長女登校。夜2人でバレーボール。無謀な20回ラリーを目標に。達成するまで終わらないと自分にプレッシャーをかける意味でも。途中で熱血コーチみたいになりましたが、無事23回達成。長女もよくついてきました。ちなみにビーチボールです。
次女お休み。点滴が効いたのがやたらと元気で朝から食欲がとまりません。ゆかりおにぎりと卵焼きを食べ続け。しかも珍しく自分で食べるとお皿を引き寄せてまで。人生で一番の食いつき具合。午前中はお寿司屋の職人なみにご飯と卵焼きのおかわりを提供しつづけました。午後はレゴを壊して「ママ〜つけて〜!ママ〜はずれた〜!」と自作自演?でやってきます。
【something new】
印鑑作成。印相体、篆書体、隷書体を眺めて。