【M&A】売り手側支援で顧問税理士だからこそお役にたてること

M&Aのサポートを行っています。
仲介会社でも、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)でもなく、一言でいうと、社長の「相談役」です。まさに顧問税理士の出番と言えるでしょう。

全ての顧問税理士が、事業承継のサポートを行っているとは限りません。顧問税理士としての業務は、決算書作成業務を中心に限定的となっていることが多いからです。

今日は、売り手側会社のM&Aサポートで、顧問税理士だからこそお役にたてることについて3つ取り上げてみます。

M&A事務の負担軽減

(15の内5でも担当してくれたら…。)
これは準備しなければならない資料や書類のお話です。
M&Aを進めるためには、書類や情報を提供する場面が多くあります。

例えば、仲介会社を通じたM&Aの場合、
・売却を検討した当初、企業概要書を作成するとき
・企業価値算定を詳細に行うとき
・デュー・デリジェンス(DD)を実行するとき
・補助金申請を行うとき
・企業の実績を逐次報告するとき

これらの場合に、まとめてたくさんの書類を準備しなければなりません。
決算書や試算表、元帳といったもの以外にも、契約書や許認可書類、従業員状況、就業規則、定款、謄本、などなどたくさんの資料を準備することになります。

社長ご自身でできるので問題ないと思っていても、本業を進めながらこれらの作業は思いのほか骨が折れるものです。
その点、顧問税理士は、決算書、財務諸表は当然のこと、一部の契約書や場合によっては、定款や議事録、保有不動産の情報、車両や固定資産の情報などの様々なことを把握しています。
それらを、仲介会社などに直接提供できるのは、顧問税理士ならではないでしょうか。

膨大な業務の一部を担当することで負担を軽減し、社長しかできないことに注力していただくことができます。

「売り手側」の立場で支援できる

次に、顧問税理士は、売り手側立場でご支援できるのがメリットです。

M&Aを検討された場合に、仲介会社を利用される方は多いと思います。
仲介会社は、マッチング成約を目標とした中立的な立場で調整を行う専門家です。
双方の条件をすり合わせて、スムーズにM&Aが実行されることを目指しているため、どちらか一方の立場にたつことはありません。

M&Aのサポーターとしては、仲介会社のほかにも、買い手側、売り手側のどちらか一方のサポートをするFA(ファイナンシャル・アドバイザー)という専門家もいますが、一般的には投資銀行、証券会社、メガバンクなどが行っており大型のM&Aで活躍され、中小企業のM&Aにはあまり馴染みません。

その点、顧問税理士は「売り手側」の立場でM&Aの支援をすることができます。もちろん、仲介会社と同じく「M&Aの成約」を目標にしているということには変わりませんが、決定的な違いがあります。
それは、完全に「売り手側の立場」だということです。

構造的な面でも、このような違いがあります。

◯立場
仲介会社→収益構造上、成約重視。買い手側は自社のリピーター、もしくはリピーターとなり得る。
顧問税理士→これまでお世話になったお客様である経営者の方の満足のいく事業承継をすすめたい。

◯候補先の選定
仲介会社→自社と契約している買い手先候補から選定したい。(会社情報や希望についてよく知っているというメリットもあります。)
顧問税理士→社長のご希望に最も合致する会社を手広く選定したい。

◯売り手側の希望
仲介会社→譲渡希望価額が低い方が成約につながるため、企業評価額を低めに伝えたい。早期に成約したい。
顧問税理士→企業評価額の考え方は様々であり、高い評価額が算出される計算方法もあるということを伝えられる。ただし、需要と供給とご縁があり、買い手の望む金額でないと譲渡に至らない現実があるため、実際の譲渡金額は低くなることがあるとご説明できる。希望条件に合致する買い手先を探すために、成約まで時間が長く時間をかける選択肢もあるとお伝えできる。

とはいえ、マッチングというのは簡単ではなく、強く推し進めることが必要な場面も多いでしょう。その点、M&A仲介会社のネットワークやサポートは、M&Aを希望される多くの会社にとって必要なサポートをご提供いただけることでしょう。

それでも、自社の立場だけにたってくれるサポーターがいれば心強いのではないでしょうか。

相談役として

最後に顧問税理士は相談役としてお役にたつことができます。

M&Aを検討中の社長の中には、従業員の方に知らさずに進めたいとお考えになられることがあります。不確実な情報で、従業員やお取引先に不安を与えることを避けたいからです。
事業の譲渡先が決まってから告知するのが、事業を継続するうえでもリスクが少ない方法といえます。

そのため、社長お一人でM&Aを進めることが多いでしょう。
その時の相談役として、外部の担当者がいれば心強いと思いませんか。
自社内部の人間では、M&Aについて相談する際にも、思い入れの気持ちが強く現れてしまうこともあるかもしれません。顧問税理士なら、思い入れがあったとしても、客観的な視点で適度な距離感を保ちながらも寄り添ってご相談にのることができます。

仲介会社の方が、あらゆる相談ごとに乗ってくださればよいですが、現実的ではありません。
たとえば、「今後どうされたいかご希望を考えておいてくださいね。」という投げかけがあったとしても、それ以上のサポートは難しいでしょう。

具体的には、引き継ぎ期間をどうするか体制を一緒に考えたい、仲介会社の方には聞きにくいこと、実は気になっていることがある、思い出したけど昔こんなことがあって…というお話、などといった場合に、相談役がほしいと思うかもしれません。トップ同士の面談の際に、売り手側の人間として同席することもできます。(買い手側様は3名くらいでいらっしゃることもあります)

仲介会社のご担当者様が同席してくださるとはいえ、社長のお立場の同席者がいることで心強く思われるかもしれません。

 

以上のとおり、顧問税理士だからこそできるM&Aのサポートについて取り上げてみました。
お客様とのよい関係性があるからこそできるサポートでもありますので、すべての方に当てはまるとはいえませんが、M&Aを検討される際には、一度顧問税理士を頼りにしてみてはいかがでしょうか。

【日記】
今日も図書館へ。私の狙いは仕事。本好きな子どもたちなので。しかし、次女の希望で紙芝居や本を読むことに。発声で体力消耗?私だけ?なんだか疲れてしまいました。
ランチして帰宅。長女は借りてきた本に夢中また妖怪の本です(笑)次女はすぐ読み終えてブロック遊びを。
夕飯は長女がシチュー作り。朝はパンケーキ焼いていたなぁ。頼もしいです。

【something new】
ゆう食家

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