M&Aサポートをはじめた理由

後継者がいなければ会社をたたむしかないという問題~M&Aサポートをはじめたきっかけ~

私は、税理士業務のひとつとして中小企業のM&Aサポートのお仕事をしています。
M&Aとは、会社や個人が別の会社や事業を買収したり、合併したりすることで、事業承継のひとつの選択肢として近年注目をあびています。

私がM&Aに興味をもったのも、自身が担当する顧問先企業の事業承継のひとつの選択肢として準備しておきたかったからです。事業承継については、社長ご自身のお子さまや親族を後継者にすることが第1の選択肢、会社の従業員の中から後継者を選定するのが第2の選択肢だとすれば、外部の方に事業を承継してもらうというのが第3の選択肢になります。

これまでのM&Aは、主に大企業が行うものとしてハードルが高く、中小企業の事業承継の方法として積極的に考えられることはありませんでした。ですから、中小企業などで身内や従業員への事業承継が難しい場合には、会社をたたむしかありませんでした。実際10年以上前は、社長が引退したら会社をたたむという選択肢が一般的でそのお手続きもそれなりに行ってきました。その会社の「事業」が黒字であっても、「社長」が不在だとその事業は続けることができないのですね。

中小企業の事業承継の選択肢としてのM&A

会社経営のそれぞれの現場を担当する社員が問題なく働けたとしても、社長の存在が会社には必要です。

そこにM&Aの選択肢があれば、現場はそのままに誰かが「社長業」を引き継ぐということで、会社存続の可能性を残すことができます。日本の企業の多くが中小企業で、多くの雇用を創出しているということもあり、国もこのような事業承継を計画的に後押ししています。

もちろん「社長業」は一言にいえないほど多岐にわたりますし、会社ごとに社長が担う仕事の内容は違うものになります。社長自身が営業担当であり現場担当であるという場合も多いでしょう。けれども、それを引き継ぐ会社や個人事業家の方々も、同じようなバックグランドをお持ちの場合もありますし、同業者でしたら同じノウハウもあり、決して非現実的なものではありません。

引退される社長のお立場からしても、これまで共にしてきた従業員やお取引先様が、これからも今まで通りお仕事を続けられることを希望されていらっしゃることが殆どでしょう。事業の引継ぎ先に求める第1条件として、従業員の雇用維持、取引先の取引維持を条件にあげられる方も多く、そのために引継ぎ先へのバトンタッチのためには力を惜しまないでしょう。

M&Aサポートの準備が仕事につながることに

そういうわけで、私はM&Aによる事業承継についての知識が、自分の担当する顧問先企業のお役に立つ日が来るのではないかと考え、目の前に差し迫った事業承継問題があったわけではありませんが、M&Aについて学んできました。

そうは言っても、実践に勝るものはありませんし、私が行ったものは、机上で行う学びや情報収集や、人とのつながりやM&Aサービス利用など、ひとつひとつはささやかなものです。はじめはM&Aについてピンとこなかったのです。税理士法人の1社員として日々担当業務でいっぱいの中で業務外と言ってもいいような事業承継について、少しずつ知識をつけていきました。

事業承継を考えるフェーズにいらっしゃる経営者の方の税務顧問をしていたことも大きなきっかけでした。他の時間を削ってでも学んでおかなければという気持ちでした。自分がサポートできない場合には「外部業者の方に委託する方法もある」ということも知りました。それは安心材料になりましたが、あくまでも最終的な手段として考えていました。それは、顧問として親身になって事業承継に関わらせていただきたいと思ったからです。外部業者の方が完全に業者的な対応のみというわけではありませんが、これまで共に過ごしてきた関係性を大切に、経営者の想いを共有する立場で事業承継業務を行いたかったからです。まあおせっかいなのかもしれませんね。

でも、M&Aを仲介業者を通じて行う場合には、仲介業者では買い手と売り手双方の代理人になりますから、完全にどっち側の味方になることは難しい。そういう意味でも顧問税理士という立場は完全なる味方でいることができる立場なのです。

 

このようにして少しずつ準備していたことが、今回思いもよらず早い段階で検討することになった事業承継のサポートへのつながりました。こうして1会社員だった私が、M&Aサポートを始めることになるのでした。独立していなければできなかったサポートでした。突然のお仕事に対応できる状況だったことがサポートにつながったのでしょうね。

サポートを想定して時間を確保してみましょう。時間があるからこそ新しい仕事のご依頼につながることでしょう。

 

【日記】
訪問。手続き関係も合わせて。申告書の最後の資料も揃いその場で・・・と考えていましたが、話が盛り上がり尽きず、持ち帰ることにしました。後の予定もあり、そんな日もあります。
次女と長女はばあばのお祝いに。よく食べむちむちになった長女と次女に驚いていました。合流すると次女が「ママ~!!!ここにいるよ~」と、久しぶりに会ったかのように切実な声で呼びかけられました。

【something new】
名義変更

タイトルとURLをコピーしました