配布した「ドリンク無料券」も未計上だと簿外債務に。
簿外債務とは
簿外債務とは、試算表に現れない「債務」のこと。
試算表のひとつ、貸借対照表を「balance sheet」ということから、
簿外債務のことは、「Off-balance(オフバランス)」とも言われます。
簿外債務というと、粉飾決算のような印象を持つこともありますが、実は簿外債務は珍しくありません。中小企業の会計は、簡略化が認められているものもあるため、計上しない債務が発生することがあるからです。
簿外債務の具体例
簿外債務で身近なものには、買掛金や未払金があります。
会計で、実際の支払いを行った際に、費用を計上している場合に発生することがあります。
費用が発生しているけれども、まだ支払っていないものが、簿外債務になるためです。
ここでは、このようなズレによるもの以外のものを確認してみましょう。
退職給付引当金
退職給付引当金は、将来支払う予定の退職金についての引当金です。外部に年金資産を積み立てている場合、その額を差し引いて算出する必要があります。退職給付引当金は、計算が複雑でミスが発生しやすいのが特徴です。
また、損金として認められないため、簿外債務になる可能性が高い勘定科目と言えます。退職金制度がある会社では、簿外債務になっていないか注意が必要です。
賞与引当金
かつては賞与引当金は損金計上をできましたが、現在は損金計上することができません。
期間の経過とともに、次回支払う予定の賞与額が積み上がってきても、未払賞与として計上できません。
そのため、簿外債務となっていることがあります。
未払いの残業代
未払いの残業代は、簿外債務の中でも多いと言われています。
本来は支払うべき残業代を支払っておらず、「サービス残業」で成り立っている場合には、簿外債務が存在する可能性があります。
従業員が適正な残業代を請求した場合、これまでの未払い分を支払う必要があります。
M&Aでは、簿外債務に注意
これらの簿外債務は、従業員の雇用がある場合には発生している可能性が高いです。
そして、M&Aでは、「簿外債務」も交渉内容に含まれます。デューデリジェンスなどでもチェックされ、具体的な数値として算出されます。
簿外債務のうち、
賞与については、支給するかどうかが会社の判断によるとされていることがあるので、多くは問題にならないと思われます。就業規則や給与規定にも、支給がない場合が存在するような文章が記載されていることでしょう。
未払い残業代については、社会的にもよく知られるようになりました。
従業員が多くサービス残業が多い会社の簿外債務は、多額に膨れ上がっているかもしれません。会社側が労働時間を把握していないケースも多いようです。
他方、従業員の定着率が高い就労環境が整った会社では、退職給付債務が積み上がっていることがあるかもしれません。社歴が長い方が多くいらっしゃると思われるからです。
退職給付債務の計算は、退職金規定にのっとり行われます。一度、会社の規定を確認してみましょう。
他にも、損害賠償責任が発生するリスクなども、簿外債務として認識が必要になるでしょう。
オフバランスの取引について、適時確認しておくことをおすすめします。
【日記】
一時、風が強く一気に涼しくなりました。関西まで影響があるのだとしたらものすごい台風なのでしょうか。みなさんお気をつけてお過ごしください。
長女は午前中歯科、午後習い事。その後は次女と遊びたいとのことで、早お迎えしましたら、今日に限って「よるに迎えに来てほしかった」と言われました…。
長女のためにライスペーパーのとりチーズ巻きがおいしかった。しそが好きです。
【something new】
ヒトサラ